Flutes

モダン楽器

管弦楽や吹奏楽のほか、ジャズやポップスなどの様々な音楽でおなじみの楽器。 孔を押さえるためのキーが備えられており、3オクターブ+αの音域内で、全ての調を演奏することができます。

※「モダン楽器」は「古楽器」と区別するための言葉ですが、 ここでは「アイリッシュの楽器」と区別するために使用しています。
区別する必要がない場合、「モダン○○」と呼ぶことはありません。

モダンフルート

楽譜上ではコンサート・フルート、グランド・フルートと書かれることもあります。
金属でできていても木管楽器です。管体が木製の楽器もあります。
透明感のある高音域を得意としますが、独特な響きのある低音域も魅力的です。

モダンピッコロ

モダンフルートの同族楽器。フルートと同じ運指でフルートより1オクターブ高い音が出ます。
木製の楽器が主流ですが、金属製の楽器もあります。
得意とする高音域の音は他の楽器に埋もれないくらいによく通ります。
また、低~中音域は哀愁のある繊細な音色です。

アイリッシュ楽器

アイルランド音楽等で使用される楽器。 企業による量産品もありますが、良質なものは大抵が職人によるハンドメイドです。

孔を直接指で塞ぐため、モダン楽器では不可能な奏法が可能です。 標準的な楽器はキーを持たないため、全ての半音を演奏することは困難で、音域は約2オクターブです。

半音階の演奏が難しい楽器ですので、様々な調性の楽器が製作、使用されていますが、アイルランド音楽の演奏にはD管があればまずは十分です。

アイリッシュフルート

アイリッシュ音楽で使用される横笛。モダンフルートと同じ祖先を持ちます。
木製の楽器が一般的ですが、近年ではポリマー(樹脂)製のものも多く、比較的安価で良質なものが手に入るようになっています。 発音原理はモダンフルートなどと変わりませんが、音色は少々ハスキーです。

キー付きのものは半音階をすべて演奏することができます。 また、高音域が演奏可能になり、音域はモダンフルートに準じます。
ただし、運指はモダンフルートと異なります。 アイリッシュ音楽では専ら低音域~中音域を使用するので、困ることはあまりないでしょう。

アイリッシュフルートは孔のサイズや間隔が大きいため、穴を押さえるには工夫が必要です。 指が届かず孔が押さえづらい楽器もあるかもしれません。選定の際は注意が必要です。

モダンと同様、アイリッシュにも「ピッコロ」があり、こちらもキーレスとキー付きがあります。
「ファイフ」と呼ばれる横笛をアイリッシュピッコロとして流用することもあります。

ティンホイッスル

アイリッシュ音楽で使用される縦笛。Tinは「錫、ブリキ」という意味で、もともとはブリキで作られていました。
現在は大きさや形、材質、音色や音程に個性があり、選択の幅が広くなっています。色々試してみるとよいでしょう。
安価なものは三千円以下で入手できます。

音域はフルートよりも高く、ピッコロの低音域~中音域に相当します。 キー付きのものはほとんどありませんが、リコーダーにもある「ダブルホール」を備えることで半音階を演奏できるようにした楽器などが制作されています。

リコーダーのように息を入れれば簡単に音が鳴り、運指もシンプルなので、初めての楽器としても優れています。 音色はピッコロとリコーダーの中間といった具合でしょうか。かわいらしくも少々哀愁漂う音色です。

サイズを大きくし、アイリッシュフルート相当の音域を演奏できる縦笛も存在し、これは「ローホイッスル」と呼ばれます。 アイリッシュフルート同様に孔を押さえるのには工夫が必要で、息の消費が激しいものの、 こちらもすぐに音が鳴らせ、ローホイッスルならではの渋い音色が得られることが他にはない魅力です。